iwa's alternative

Nov 06 2009

みんなiPhoneがあれば他には何も要らないっていうけれど、それは違うんだよ。

この議論に終わりは無いのはわかっているんだけれど、特定の機器をもって業界、それも無線通信業界を代表させる論調というのはやっぱり違うんだよね。普段の私の場合、「違うんじゃないかと思うんです」という言い回しをするけれど、ここは敢えて「違うんです」と言い切る。全体でも兆の単位のビジネ スはそんなに底が浅い話ではない。

もちろん優れた機器、というかソリューションだと思いますよ。iPhoneは。

それは否定しない。機器と裏側のビジネスモデル全体をソリューションとして組み立て、それを各国の通信事業者のネットワークを通じて提供するとい うビジネスモデル。かつても、今も、そしてこれからも同じような試みが幾つもあるわけだけれど、その中で間違いなく成功している例だということに議論の余地 は無い。

ただ、これはあくまでも通信事業として見た場合のエンドユーザーに一番近い部分でのソリューションの話で、それが繋がるためのインフラの話や、そもそもそのインフラを実は元々支えている関連産業、そしてiPhone以外の通信機器のあり方やソコに至る経緯を余り理解しないままのiPhone万歳と言う話が多くて、やっぱりちょっと残念。

通信事業は一種のゼネコン。

これは有線無線に関わらずっていう話なんだけど、何しろ関連産業の裾野が広い。しかもサービスとして提供する場合にはシステム全体としてどういう設計に するのか、それをどうやって24時間365日稼動させるのか、サービスレベルはどのように規定するのか、ソコに繋がる通信機器はどうあるべきで、何が出来 て、何を今実現させる必要があって、そもそも採用している技術規格はどういうもので・・・ってのを全部やってるわけ。

たとえば電話機(敢えて端末とは言わない)のデザイナーがチャンと仕事してない論が良くある。なんでこんなのが発表されるんだよとか、こんな 機能も積んでないのかとか、格好悪いとか、使いにくいとか、あっちのほうが俺は好きだよとか(って言う人は文句言う前にそっちを使い続けてくださいと思っ たりもしますが)色んな話が出ます。何しろ最終的にお金を払って手に入れる、個人の所有物であることが多いから仕方が無い部分もある。

で、別にどこのどの機種とか、どのメーカーとかを擁護するわけでもなく、通信事業者自身を擁護するわけでもないのだけれど、誰もが一つ一つの動きに巨大な投資を必要とする事業の中で果たせる役割を果たしているわけで、そこは良い悪いという話ではない。あ、全然果たさない奴もいるけれど。

もちろん良し悪しってのはあるんだけど

それぞれの事業者がそれぞれの事情を抱えてる。だったら電話機はオープンにしろよという話もあるんだけれど、たとえば海外で電話機自身をオープンに している国がどのような事情でそうなっているのかを理解している人はあまりいない。これは事業者の中にも以外なほどいない。どの国でも通信事業は基本的に許認可制度を引いてるし、外資規制も普通にあるから単純に海外進出できない=弁居うする気が余り無いってのもあるんだけどね。

因みにメーカーさんについて は現場で死ぬ思いをした人も一杯いるから理解している人はそれなりに居るけれど。

で、少なくとも日本ではそれとは違う生い立ちを持っているので、それは出来ない。というかしなくて済んでるという事実。

差別でもなんでもない。全部開放するしかない国には、技術もノウハウも何も無くて、システムとして売り込まれたものを買って、運用委託し、ユーザーから徴収した料金からそのコストを払うことによって事業者として存在できているというのが基本形。で、外から持ってくるタイミングでメーカーが絡んでいたりするとオープンで行くのか幾つか限定で参入させるのかを決めるわけ。もちろん決めたところでネットワークのシステム自体はどうにでもなるように作ったものを入れてくるから、実際にはSIMのところでお金だけは取れるようにタガを嵌めて、あとは制御不能だから放置するのが、電話機のオープン化。

で、そうすると、サービスとしてて提供するもの、出来るものも事業者やASPが四の五の言う話ではなくなっちゃう。もちろん機械は壊れるんで、ある程度時間がたつと自然に入れ替わってくる。中古で安いふるい機器を買う人はそれを理解して買うわけで、だから余り問題にならない。

ただ、そういうユーザーが多い国であればあるほど、本当はたとえば無線のインフラを社会の中核のネットワークにしたいっ!みたいな話があるにも関わらず、実際のところは金持ち向けや外国人向けのサービスに終始するわけ。ま、貧乏人から取れる金自体が無いから、そもそも低価格機種や旧い機種ってのは最初から勝手にしてくださいという程度でほったらかしにするわけなんだけどね。

で、タイトルのiPhoneだけれど

日本でも結局同じなんだけど、ここはもう簡単で、そもそもiPhoneを高度に使おうにもマルチタスクではない機器では出来ることに限界があるし、そんなに高度なことはそもそも出来ない。更にサービスのためのネットワークが余りに酷くて、マトモにガンガン使われたら全くもって機能できない。でもその中で色々と対立があるわけで、結局訳のわからん料金設定とかローミングプランとか出る。

ちなみにアメリカのiPhoneユーザーがAT&Tワイヤレス何やっとんじゃってアンケート結果もあるわけだけど、そもそもGSMのネットワークでのサービスからスタートしたってのをみんな理解してないし、逆に言うとiPhoneはGSMのEDGEでも使える程度のモノだってことをキチンと理解したほうが良い。

あ、WMが良いとかAndroidが来れば何とかなるなんて話はしないよ。本当にそうは思ってないから。リアルタイムOSなんて所詮ミドルウェアみたいなもんで、UIはサービス提供者=事業者がそれぞれ手を入れるのが普通だから。その意味ではiPhoneは特殊なんだけどね。

でもさ、OSの出荷本数で言うとSymbinとかLinux系の奴のほうが圧倒的に多いんだけど、コレを使ってる機種をさしてオープンモデルだぉ~と言う人は確かに殆ど居ない。ま、一般的な意味でのオープンモデルではないのかもしれないけれど、組み込みOSのUIを自由に書けたり、デバドラを自由に書こうとする人って意味不明。そのうえで動く、たとえばJavaのアプリケーションとかのレベルなら判るけれど、それは所詮アプリケーションレイヤーの話。通信事業として事業者が責任を持つ部分とは根本的に違うレイヤー。

で、通信事業者は、その一番下からかなり上までのバランスを持ってサービスを提供しようとしている、という方向でモノゴトを考える、というカンジ、であれば最高なんだけど、そこのバランスが取れているようで取れていないように見えて、で実際取れていないってのも問題なんだけど、たとえば社員が数千人居る会社の中で全員のベクトルを同じ方向に向けるなんてのは軍隊でもなければ無理です。ということでブレが出るのはどこでも一緒。

という組織論も絡んだ大きな話を一度キチンと考えてから、もう一度単一機種としてのiPhone万歳論を展開してくる人と話をしたい。もし、本当に居るならね。

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