ヘッドマウントディスプレイが実は18禁な件
昔からアイデアは存在するWearable PC。当然ディスプレイは頭に装着することになるわけで、最近日本でも某メーカーからそれに類するモノが発売されています・・・が、全然売れないそうです。そりゃそうだ。軍用なら装備に体をあわせろ論を踏まえて実用化されています。現状は航空機の整備マニュアルとかを映すという使い方で、そのうち歩兵がいろんなデータをリアルで見るために使うIntelligent Troopという概念の中で利用される可能性があります。
が、民生用では無理です。絶対に無理です。9年も前に当時の勤務先でWearable PCのプロモーションを担当したことがあり、その後特許含めて事業を売却した経緯の中にいた人が言うから間違いないです。絶対に無理です。でも、何故?
人は網膜に映ったものを脳で解釈して見るんです
ヘッドマウントディスプレイの世界の場合、例えば片目の前に装着した小さな透過ディスプレイに画像を表示させ、ちょうど体の前50センチくらいに例えば17インチのXGA程度のディスプレイが浮かんでいるような感覚で見える状態になるわけです。宙に浮いたディスプレイがソコにあるわけですが、それが顔をどちらに向けてもソコにある状態になるわけです。
でも人は生き物です。たとえば普通にPCを操作していても画面に集中できる時間は限られていますし、物理的にディスプレイは固定されていますが頭や視線は固定されず、以外なほど視線がディスプレイから外れて動きます。それが集中しすぎると瞼の動きが鈍くなりドライアイに陥ったりするわけですが、これは既に体に良くない状況です。
それに対してヘッドマウントディスプレイは、宙に浮いたディスプレイから視線を外すことが出来ません。これは強烈に疲れます。とりえあず百歩譲ってソコに映るのが静止画状態、たとえばWindowsの画面みたいなのがそのまま表示されているのであればまだ少し長い時間でも耐えられる可能性はあります。でもね、たとえば自分の片目の前に手を出して視線を少し遮ってみると判る。鬱陶しいことこの上ない。次に・・・たとえばアクリルでもガラスでも何でも良いのですが、片目の前に回りの蛍光灯なんかの光が反射している状態で視線を遮ってみる。その先はさえぎったものを透過して見えるわけですが、やっぱり片目だけだと鬱陶しい。
あるいは別の例で言うと・・・ 眼鏡を使っている人ならわかるかな?自分の眼鏡の顔の側に自分の後ろの蛍光灯とかが映り込むと非常に見づらい。目の前のものと違うものがソコで光っている状態。それです。
でも、でも、これは映っているものが殆ど動かない状態か、視線を外せば逃げられる状態。最悪なのは、そこに動画なんて映すと・・・ 目の前のリアルな風景と非同期で目の前の空間に動く映像が見えるわけです。しかもこいつから視線を外せない。投影している物体(ヘッドマウントディスプレイ)は目の数センチ先にあるわけです。逃げようが無い。だんだん脳が混乱します。そのうち頭痛に見舞われてきます。脳が混乱して立っていられなくなります。ボヤボヤしてると普通に吐きます。経験者が言うのだから間違いないです。本当に気持ち悪くなる。思い出しただけでも・・・ うぇ~
この問題は何年も前から指摘されていました
人間の目と脳は目の前に固定された物体の動きを追い続けるように出来ていません。じゃ影響が出にくいように作ればいいじゃんって?いや、治験が出来ないんですよ。因みに通常のディスプレイを目の前にした作業の場合も厳密に言って治験は出来ません。目、脳、その他諸々人体にどんな影響が出るかが判らず、条件設定も難しいので、治験なんか出来ません。そもそもエビデンスとなる条件設定すらできない。ただ、いろんな規制が出来る前から存在していたので経験的にこれ以上はヤバいんじゃないの?みたいなトコロからの規制や規格、そしてたとえばドライアイなどについては条件的にマバタキが減るほど集中しちゃうんだから気をつけないと目を悪くするぜみたいなトコロでの規制があったりするわけです。
いずれにせよ変わらないのは、人体に対する影響のデータが取れない。軍用ならともかく、民生用として発売するなんて考えた場合、メーカーとして責任を取れない。責任を取るために必要な規格も規制も無い。これは危険極まりない。ということで、当時の私の勤務先がWorld WideでPromoition使用としてたWearable PCのProjectは特許とセットで日本の某メーカーに売却されて消滅しました。
人間は1000年前も今も同じ生物なので、この状況は変わらんですよ。誰かが人体実験して本当にデータを取って、影響が少ないものを作らない限り。
で、何故ヘッドマウントディスプレイは18禁なのか?
理由は簡単です。
「これ、面白いでしょ?でも影響がわからないから使いたいと思ったら自分の責任で使ってね。となると子供は責任を法的に自分では取れないから18歳未満は使わないでね。」
別に未成年(20未満)でも何でも良いのですが、理由はこういうことです。